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「スマホ代は経費になる?」「車はどうすればいい?」「生命保険料は経費に入れていいの?」——個人事業主からよく聞かれる疑問です。
スマホ代や車の費用、保険料は、事業で使っている部分について経費にできる場合があります。ただし、プライベート利用を含む支出は、事業で使っている割合に応じて按分する必要があります。この記事では、スマホ・車・保険料それぞれの判断基準と、記録を残すときの注意点を整理します。
この記事では、スマホ・車・保険料それぞれの判断基準をまとめます。正確な判断は税理士にご相談ください。
・スマホ代の経費処理と按分の考え方
・車(ガソリン代・保険・車検)の経費処理
・保険料が経費になるケース・ならないケース
・按分の根拠をどう記録するか
スマホ代は経費になるか
事業でも私用でも使っているスマホの料金は、事業で使っている割合を按分して経費に計上できます。
按分の考え方
仕事での通話・連絡・検索の時間が全体の何割かを見積もり、その割合で按分します。
・仕事での使用が中心の場合:60〜80%程度を経費に
・仕事・プライベート半々の場合:40〜50%程度を経費に
・プライベートが中心の場合:20〜30%程度を経費に
※実態に合った割合で設定することが大切です
仕事専用の端末を用意している場合
仕事専用のスマホ・格安SIMを別途契約している場合は、その料金を全額「通信費」として経費に計上できます。プライベートとの切り分けが明確なため、按分の説明が不要になります。
ちなみに、こうしたスマホでの経費入力から確定申告までをスマホだけで完結させたい方は、スマホだけで確定申告できる?(個人事業主向け会計ソフトの選び方)で、対応アプリと進め方を解説しています。
スマホ本体の購入費
スマホ本体の購入費は、10万円未満なら「消耗品費」として一括経費計上できます(青色申告の少額減価償却資産の特例を使う場合は30万円未満まで一括計上可)。10万円以上の場合は減価償却が必要です。購入費も按分が必要です。
車(ガソリン代・駐車場代・車検・保険)は経費になるか
事業で使う車の費用は、事業で使っている割合に応じて経費にできます。プライベートにも使っている場合は按分が必要です。
走行距離で按分する
車の経費按分は走行距離を根拠にするのが一般的です。
・月間総走行距離:500km
・うち仕事での移動:300km
・按分割合:300 ÷ 500 = 60%
・ガソリン代10,000円のうち6,000円を経費に計上
仕事の移動記録(日付・目的地・走行距離)をメモや手帳で残しておくと、按分の根拠を説明しやすくなります。
経費にできる車関連の費用
・ガソリン代 → 「車両費」または「旅費交通費」
・駐車場代(事業用) → 「地代家賃」または「車両費」
・車検費用・整備代 → 「車両費」
・自動車保険(任意保険)→ 「損害保険料」
・自動車税 → 「租税公課」
車のローン・減価償却
車を購入した場合、購入費は「車両運搬具」として減価償却します(法定耐用年数:普通車6年、軽自動車4年)。ローンの元金部分は経費になりませんが、利息部分は「利子割引料」として按分して計上できます。
保険料は経費になるか
保険料は種類によって経費になるものとならないものがあります。
| 保険の種類 | 経費になるか | 勘定科目 |
|---|---|---|
| 事業用の賠償責任保険 | ✅ なる | 損害保険料 |
| 業務中の事故に備える傷害保険 | ✅ なる(事業分) | 損害保険料 |
| 事業用車両の任意保険 | ✅ なる(按分後) | 損害保険料 |
| 個人の生命保険 | ❌ ならない | —(生命保険料控除として申告) |
| 個人の医療保険・がん保険 | ❌ ならない | — |
| 国民健康保険料 | ❌ 経費にはならない | —(社会保険料控除として申告) |
※個人の生命保険・医療保険は経費にはなりませんが、「生命保険料控除」として所得控除できます。国民健康保険料は「社会保険料控除」として申告できます。
「国民健康保険料は経費にならない」と聞いて損をしている方がいます。経費(必要経費)にはなりませんが、社会保険料控除として所得から差し引けます。確定申告書への記入を忘れずに。
按分の根拠をどう記録するか
税務調査があった際に按分の合理性を説明できるよう、記録を残しておくことが大切です。
・スマホ:「仕事での使用割合○%と判断した根拠」のメモ
・車:走行距離記録(日付・行き先・距離・目的)
・保険:保険証券(事業用であることがわかるもの)
会計ソフトを使っていれば、勘定科目・金額・摘要(取引の内容)をセットで記録できます。「ガソリン代(仕事60%按分)」などと摘要に残しておくと、後から見返したときに根拠がわかりやすくなります。スマホ・車以外でどこまで経費にできるかは、個人事業主が経費にできるもの一覧もあわせて確認しておくと整理しやすくなります。なかでも按分の代表例である家賃・光熱費については、自宅兼事務所の家賃・光熱費を経費にする方法で計算例つきで詳しく解説しています。自分に合うソフトを比べたい場合は個人事業主におすすめの会計ソフト3選+請求書作成1選も参考にしてください。
経費の判断は、支出の内容だけでなく「何のために使ったか」「どのくらい事業に使ったか」の記録も大切です。経費や按分の記録が増えてきた場合は、会計ソフトを使うと、勘定科目・金額・摘要をまとめて残しやすくなります。どのソフトが合うか迷う場合は、診断ツールで確認できます。
まとめ
📱 スマホ代:事業使用割合で按分→「通信費」
🚗 車の費用:走行距離で按分→「車両費」「旅費交通費」など
🛡 事業用保険:全額経費に→「損害保険料」
❌ 個人の生命保険・健康保険:経費にならない(別途所得控除あり)
📝 按分の根拠(記録・メモ)は必ず残しておく
「全額経費にならないなら計上しなくていい」と判断するのはもったいないケースがあります。按分してでも計上することで節税につながります。こうした経費の計上に加えて、最大65万円の控除が受けられる青色申告とは?個人事業主がやるべき理由もあわせて押さえておくと、節税の効果をさらに高められます。正確な処理については税理士にご相談いただくと安心です。
